ローカルマーケティング

地方のマーケティング・産直食品通販広告制作者の備忘録

大手乳業メーカーの地方小型版では生き残れない

明治・森永・雪印メグミルク

日本が誇る大手乳業メーカー3社

 

これ以外にも各地方には、

中小の乳業メーカーがある

 

扱う商品は、

・飲用牛乳

・加工乳 低脂肪牛乳など

・乳飲料 コーヒー飲料、カフェオレなど

・発酵乳 ヨーグルト、のむヨーグルトなど

・乳酸菌飲料 ヤクルトなど

・果汁野菜のジュースなど

・プリン

・ゼリー

・生クリーム

・バター

・チーズ

 

大中小の殆ど全ての乳業メーカーが、

大手は全ての商品を扱い、

中小はこのどれかの商品を、

みんな、ほぼ同じ規格、同じ売り方で、

大手メーカーが主導して決めたルールの下で、

「公平に」事業している。

 

日本の一般の多くの人は知らないのだが、

実は、日本の牛乳と欧米の牛乳は違う

日本の牛乳は130度2秒で殺菌されたもの(超高温殺菌牛乳)

欧米の牛乳は65度30分殺菌しているもの(低温殺菌牛乳)

まず、ここが根本的に違う。

 

商品の説明を簡単にすると、

低温殺菌では、

カラダに悪い病原菌などを殺菌し、

有益な乳酸菌などは残る。

一方の超高温殺菌は、

全ての菌を殺菌する。

低温殺菌牛乳=刺身

超高温殺菌牛乳=フライドフィッシュ

このくらい違う。

 

ではなぜ日本は超高温殺菌牛乳が主流となったか?

欧米では、

昔から生活の近くで牧畜をして、

毎日新鮮な牛乳を飲んでいた。

一方日本では、

戦後のまだ冷蔵事情の悪い中で、

滋養のつく飲み物として急速に一般庶民に広がった牛乳は、

衛生管理も良くなかった時代は、

低温殺菌の状態ではすぐに腐敗するので、

完全殺菌温度での状態で商品を作ったものが主流となった。

そして、この超高温殺菌牛乳は、

規模の大きい程有利になる。

 

海外にも超大手の乳業メーカーがある。

日本でも名の通った、ネスレやダノンである。

これらのメーカーの商品の主軸は、

フレッシュな低温殺菌の飲用牛乳ではなく、

原料に牛乳を使った食品を作っている。

 

一方、昔から牛乳を生活必需の生鮮食品としてきた

欧米の国々では、

飲用牛乳を製造するプラントは、

低温殺菌牛乳を主軸として生産し、

その商品の特性から狭い商圏で事業活動してきた。

 

また、バターやチーズなどは、

日本の豆腐屋さんの様な感覚で、

地方の小規模な個人店から

超大手まで様々な形態で、

商品を棲み分けて存在していると共に、

消費者もその違いが分かる人が多い。

 

ボーダレス化で苦境になる中小乳業メーカー

物流や商流、情報が分断されていた時代では、

大手乳業メーカーの小型版を作れば、

それなりに中小の乳業メーカーが生きていく隙間は十分にあった。

しかし、ボーダレス化が進んだ20世紀の後半から、

その隙間がどんどん埋まっていき、

まずは、都市部の中小乳業メーカーが淘汰されて、

その波は飲用牛乳離れと共に地方へと広がっている。

 

この乳業業界は、

まさしく大手と中小の状況が非常によくわかる。

大手メーカーと、

同じ土俵で勝負しても勝てるわけがない。

これをまざまざと見せつけられている。

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