一般的に商圏とは、
自分の店を中心に半径何キロ以内といわれる場合がありますが、
実態はそんなに簡単なものではないです。
店の形態や、人口構成、地域文化、地形、交通網と交通手段、
競合店など様々な影響で構成されています。
お客さんは当然何もないとこからは来ないので、
必ずどこから来ています。
なので、自分の商圏を知る事が重要になります。
地域の地形や交通網によっても商圏は変化します。
例えば「大阪」という地域は、
南北に交通網が発達しています。
しかし東西への交通網が脆弱です。
こうなると、
南北への移動時間と、
東西への移動時間はかなり変わります。
大阪では実際に同じ距離を移動するのに、
東西へは南北の2倍から3倍時間がかかります。
この日常行動は、顧客に心理的に影響し、
ある時、路面店の顧客分布図をマッピングすると、
南北には4km、東西には2kmという楕円形になりました。
大阪のような住宅密集地でも、
移動手段が電車、車以外の徒歩や自転車で計測しても、
人の距離感は倍くらい出ることがあります。
地方は車社会です。
公共交通網が発達していない為に、
車での移動が圧倒的に多くなります。
和歌山県は海岸に沿って、山が迫っている地形で、
それに沿うように、国道42号線というメインの道と、
阪和自動車道が南北に貫いて走っています。
休日には観光客が押し寄せて大渋滞になる場合も多く、
平日と休日では明らかに交通量が違います。
ほぼこの2本の道路に沿って商圏も構成されて、
特殊要因としては、阪和自動車道は長年かけて、
南へ南へと延伸されているので、
その終点に新たな高速道路出口が出来ます。
そうなると一番南の終点の出口が、一番交通量が多くなり、
周辺に新たなビジネスが生まれます。
しかし、また延伸されて南へ伸びると、
そこは廃れて、次の一番南が栄えるを繰り返しています。
和歌山で地域住民が多い、
和歌山市・海南市・御坊市・田辺市以外は、
全部この状態です。
阪和自動車は、いずれ紀伊半島を1周する計画みたいなので、
どうなるのかな?と興味深いです。
民主党政権下の高速道路無料化政策の恩恵があった、
舞鶴自動車道の当時の終点の舞鶴などは、
北陸自動車道とつながった事で、
現在、どうなっているのか?
興味深い先例だと思います。
たまに地方で、
「どこからお客さんを呼ぶの?」と、思う事があります。
立地と商圏をちゃんと正確に捉えて、
事業そのものを魅力あるものにして、
販促手段を考える事です。