ローカルマーケティング

地方のマーケティング・産直食品通販広告制作者の備忘録

六次産業化への入り口は法人化

六次産業とは、

1次=生産

2次=加工

3次=販売・流通

1次+2次+3次=6次

という具合で、

生産から販売まで一貫して行う事をいいます。

 

国も六次産業化をススメています。

農林水産省では、雇用と所得を確保し、

若者や子供も集落に定住できる社会を構築するため、

農林漁業生産と加工・販売の一体化や、

地域資源を活用した新たな産業の創出を促進するなど、

農林漁業の6次産業化を推進しています。

農林漁業の6次産業化:農林水産省

一次産業にとって六次産業化は、

生産者事業に加工と流通販売を統合する事で、

大幅に中間コストを削減できるというメリットがあり、

これだけでも相当なものなので、

一次産業が急速に先細る現状では、

現業の二次・三次産業を押しのけてでも、

国を挙げて推奨する意味はわかります。

 

しかし、実際には、

ただでさえ大変な一次産業の現場から、

二次産業と三次産業までマネージメントできるのか?

現業の二次・三次産業と競争して勝てるのか?

という根本的な問題があるのです。

 

ビジネスマネージメント用語に、

「PDCAサイクル」というのがあります。

Plan 計画

Do 実行

Check 評価

Action 改善

事業活動には、

日々これを繰り返していく事が必要です。

メンドクサイですよ・笑

 

「地域資源を活用した新たな産業の創出を促進する」と、

農林水産省は言っています。

これ、六次産業化成功の大きなキーワードだと思います。

 

「新たな産業の創出」とは、

企画して、投資して、実行して、利益を出す。

これをスピード付けてやらなければいけません。

 

新たな産業の創出をする六次産業化の為には、

マーケティングとマネージメントと雇用、

資金運用が必要なのですが、

それを実行する為には法人化が不可欠になります。

 

なぜかというと、

マーケティングとマネージメントと雇用を円滑に行うとは、

家族以外のこれまでとは違う人間を雇用する必要があります。

人を雇用するとは、

その人の身分保証をしなければいけないのです。

そして金融機関や関係法人先に対するビジネスの世界でも、

事業団体の法人格としての身分保証が必要なのです。

 

二次産業と三次産業のビジネスの世界にいる経営者には

この話はわりと理解できるのですが、

一次産業の生産者や地方の個人事業主には、

この法人化への必要性は、ほとんど理解できません。

個人事業の延長で出来ると思っています。

 

法人の責任よりも、

個人の責任の方が重いという理解ですが、

実際には、

事業をするには、

法人化した方が都合いいように出来ています。

個人で責任をかぶり過ぎられる方を怖がります。

また個人には人としての寿命がありますが、

法人には寿命はありません、

法人を運用する中の人が変わるだけです。

 

個人と法人は全くの別物なので、

個人の延長線上が法人では無いのです。

 

個人の生産力だけが経済評価の対象だった、

一次産業の生産者が、

二次、三次産業という

掛け算の生産社会を加える為の、

六次産業化をするには、

社会的身分保証の付与が出来る

法人化が必要だという事です。

 

しかし、残念ながら多くは、

事業の社会的身分保証が必要だという事が理解できないのです。

心理学者マズローのいう社会的欲求を満たさなければならない、

などと考えた事もないと思います。

 

農水省の

「雇用と所得を確保し、

若者や子供も集落に定住できる社会を構築する為」というのは、

高齢化率の高い地方の一次産業や個人事業主の

今、自分は大丈夫な経営者には

実際には響きにくい、のかもですね・・・

 

地方の将来伸びそうな個人事業している殆どの方には、

早期の法人化を勧めていますが、

多くの場合、興味はあるようですが、

「今は法人化するメリットが無い」と言われます。

法人化とはメリットがあるからする事ではなく、

事業化するために必要な事なのですが、

この辺が上手く簡潔に説明出来たらなと思う日々です。

 

農水省の六次産業化推進も、

この法人化の必要性を説いてくれるといいのですが・・

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モツ鍋を食べたいけど、美味いキャベツが無いw

 

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