ローカルマーケティング

地方のマーケティング・産直食品通販広告制作者の備忘録

親が子供に飲ませる牛乳の基準

食の安全・安心の問題が色々取りざたされていますが、

安全とは、何かの数値などで判定されたもの

安心とは、個人の心で様々な要素を基に判断するもの

かなり前に牛乳を売っていた頃の話を思い出しました。

 

雪印食中毒事件が起こった後に、

このまま雪印の牛乳を使うのはどうなの?

という事で、

得意先の保育園からの要請で、

牛乳の差し替え候補の提案に行った時の話。

 

職員と保護者の集まる中で、

部下だった社員がプレゼンして、

最終候補に残った2つの牛乳は、

 

雪印牛乳

どこの産地の酪農家が搾った牛乳かわからない

いつ搾ったのか?どんな餌かもわからない

食中毒事件を起こした雪印の工場で作られる

超高温殺菌・ホモゲナイズ(脂肪球を砕く)

牛乳本来の良い部分がかなり無くなるので、

欧米では用いない殺菌処理方法

温度管理を緩くしてもスグには腐らない利点がある。

消費期限は少し長い(当時は7日程)

当時、日本最大の牛乳メーカーが作る(今は明治)

これまでこの保育園で使われていた

 

ひかみノンホモ低温殺菌牛乳

兵庫県丹波市のこの牛乳専用の酪農家で搾られた牛乳

餌は非遺伝子組み換えで自給飼料も使う

搾って半日以内に商品化

低温殺菌・ノンホモ(搾ったままの状態に近い)

悪性の病原菌などは殺菌し良性の乳酸菌などは生きている。

牛乳先進国の欧米ではこの方法が通常の牛乳

温度管理をちゃんとしないとダメ

消費期限が短い(当時は4日程)

新しく提案した中で最終候補になった

 

さて、どちらの牛乳が選ばれたでしょう?

というか、

この書き方だと

雪印食中毒事件の後だし、

ひかみのノンホモ低温殺菌牛乳が選ばれる?

 

しかし・・・

保護者が選んだのは雪印牛乳

 

理由は、

何かあった時に保証してもらえるから

ようするに、

雪印食中毒事件が起こった後でも、

結局、大手メーカーだったら

何かあってもちゃんと保証してくれるでしょ?

という話

 

×良い牛乳:規模が小さいので保証はどうなの?

〇普通の牛乳:規模が大きいので保証が大丈夫

親にとって究極の選択だったと思うけど、

良い牛乳である事はわかったけれど、

自分では無く、

自分の大切な子供に飲ませるのならば、

このような選び方をするのだと、

スゴク印象に残った出来事でした。

そしてこの事件が

その後の売り方を考える

いい勉強材料になりました。

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