「客の声を聞く」といえば聞こえはいいが、
マーケティングでアンケート調査結果は殆ど役に立たない。
日本に来る外国人用のガイドブックに、
“日本人から「日本はどうですか?」と聞かれたら、
必ず日本の事を褒めるようにするのが良い関係を築くコツ“
このような一節があるようです。
ようするに日本人の深層心理には、
日本を褒めてほしいからこういう質問をする。
テレビで外国人が日本を絶賛する番組は視聴率も良い。
地方へ行っても
「私たちの地域はどうですか?」
という質問の裏には、
「私たちの地域は良いとこでしょ?良いところを言ってごらん」
という意味・笑
まともに悪い批評などすれば、
あいつは見る目が無いとか確実に悪いように言われます・笑
これと同じで、
通常のアンケート調査では必ずまあまあ良い結果が出る。
主催者の自己満足感を得る為なら良い方法ですが、
そこから改善や革新的な新しいアイデアなど出ない。
以前アンケート調査の質問を作るライターさんに聞いた話
アンケートを作る仕事とは、
クライアントの希望通りの調査結果を
作れるライターに仕事が来る世界
アンケート結果など、
質問の作り方でいくらでも導き出せる。
この話を詳しく聞いた時にスゴク納得できた。
まあ巷のアンケート調査などそんなものです。
「なんで大企業とか役所はアンケートやるのですか?」
との問いには、
「頭の固いお偉方への説得材料の一つとしては使えるから・笑」
なるほど・・・
妙に納得してしまった。
Q:どんな商品が欲しいですか?
Q:どんなサービスを望みますか?
アンケートで客にこんな質問をする会社があるけど、
「私たちは迷走しています」
こう言っているようなもので危ない・笑
アンケートには、そんな事お客に聞くなよ!
それを考えるのが仕事だろ?って思う質問がある。
客は今見えているものを批評するだけなので、
そんな話を一々聞いて後追いで反映させるのではなく、
客の動向を見て、こんなものが欲しいのでは?と
仮説を立てて先回りする努力が必要です。
だからアンケートに答えは絶対に書いていない。
とはいうものの、
マーケティングに役に立つアンケートもある。
例えば、
「この商品は、朝食・昼食・夕食の中でいつ食べるのが多いですか?」
売れ行きとか販売に関する事はデータでわかっても、
こういう具体的な利用背景は聞かないとわからない。
この結果はマーケティング戦略を根本的に考える素材になります。
どうせなら役に立つアンケートをやってほしい。
試食アンケートで99%以上の客に
「買わない」と答えられたのに、強行発売して、
大ヒットしている「切腹最中」という和菓子がある。
「切腹」という超ネガティブな言葉を入れたのに、
それが欲しいと従来の客よりも新しい客が押し寄せた。
99%に買わないって言われたら、
私だったら発売する自信は無い・笑
客の想像を越えるイノベーションは、
アンケートに縛られていては出てこない。