地方へ行くと、
高速道路と新幹線誘致の看板を目にします。
高速交通インフラの整備は、
地方の発展要素と地元住民の悲願といわれますが、
便利に早く移動できるようになった分、
観光面では日帰り客が急増し
宿泊施設などには、
必ずしも良い結果を産まないようです。
小売店や飲食店も影響があります。
ストロー効果とは
道路や鉄道の開通と高速化によって、
交通の利便性が高まった結果、
元々あった地方の需要が
高速交通で繋がった都市部へ
吸い上げられる事をいいます。
地方の需要が都市部へ吸い上げられる
兵庫県の淡路島では
明石海峡大橋が開通したことにより、
地元民が高速バスへ乗って神戸へ買い物。
物流が繋がって最大手のイオンが進出した結果、
地元スーパーが倒産。
和歌山県の有田の中学校では、
高速で1時間約60km先の岸和田のららぽーとへ
殆どの生徒が家族と共に、
オープンして半年後には行った事があると答え。
一般道の峠道が整備された事で、
大阪府泉南市りんくうタウンのイオンモールの駐車場には、
和歌山ナンバーの車が多くなりました。
地方の店の一番の競合は、
もはや地元周辺店では無く、
高速と鉄道のつながる
大都市の店になるのかもしれません。
繋がる都市部を視界に入れる
地方の店の経営者は、このストロー効果を
意外と意識していなくて驚くのですが、
交通の利便性をちゃんと味方につける事を考えるべきです。
それは単純に、
交通の便が良くなったら観光客が来る
というだけではなく、
地方からも都市部へ行きやすくなるので、
もうほぼ同一の商圏に居るという意識で、
都市部から見ても魅力のある店づくり
をしないとダメだという事です。
そうすれば、
高速交通インフラはチャンスになります。