ローカルマーケティング

地方のマーケティング・産直食品通販広告制作者の備忘録

安心を提供するために「生産者の顔の見える牛乳」

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一昨日と

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昨日の続き

産直中小生産者の商品を売るのがまだ難しい時代

大手メーカーへの絶大な信頼感があった。

 

また、牛乳のパッケージ表記には、

乳業界が決めた自主ルールみたいなものがあって、

地方の中小生産者の細かいこだわりや、

大手よりも優れている所は、

表記できないようになっていた。

 

安全と安心は違う

安心を提供しなければいけない

 

安全性をアピールしても

安心を得る事は出来ない。

 

どうすれば安心を提供できるのか?

 

まず考えた事、

なぜ自分は安心だと思うのか?

保育園の保護者と何が違うのか?

 

持っている情報量の差

これは明らかに違う

まあこちらは仕事なので当然なのだが・・

この差はなかなか埋めにくい

次に、

作っているのが知っている人

知っている人!

 

私にとって、

生産者は実在の人物である

いつでも会いにいける

知っている人である。

 

しかし、

消費者は生産者を実在の人物だとは思えない

というか、

商品の後ろに作っている生産者の姿は見えない

知らない人である。

ここが明らかに違う

 

顔の見える生産者

このフレーズが浮かんだ

生産者の顔が見える牛乳

こうすれば良いのだと

今では道の駅などに、

生産者の氏名が書かれた野菜が並び、

小売店にも私が作りましたPOPがある時代だが、

当時はそんなもの無かったので、

生産者にフツーに嫌な顔された・笑

 

産地見学ツアーで生産者に会う機会を作る

観光バスを借りて、産地見学ツアーを企画する。

これが意外と人気があって、

数え切れないくらい実施した。

 

産地見学ツアーの募集をPR

いつでも会えますよという意図を伝え

 

産地見学ツアーの実施の結果を発信

あなたと同じ立場の消費者が会っていますよとPR

 

このパターンを繰り返し行っていった。

 

別に産地に来なくても良いのです、

いつでもいけますよ

というのが大事なのです。

擬似体験で生産者に会うようなイメージで、

販促ツールも全てその目線で作り直しました。

 

また、売る側への機会もより濃く作りました。

小売店のバイヤーや店員を産地見学に誘い、

チェーンストアの新人社員研修に組み入れてもらった。

 

自社の販売員にはより濃く体験させるために、

各地の酪農家の元へ1泊以上の時間を作り、

朝から晩まで一日中とことん体験させた。

 

ここから明らかに実績も変わっていった。

何かすごく手間のかかるチマチマした方法なのだが、

元々そんなに生産量が多く無い商品なので、

大手メーカー商品を売るような販促とは、

これくらい差をつけるべきだったのです。

 

全ての人を納得させようとしない

100世帯に1人で良い

1%のマーケティングを徹底する

100人に1人のヘビーユーザー作りで十分

 

宅配:商圏30万~50万世帯×0.5~1%=顧客3000世帯前後

小売1店舗:商圏5万~7万世帯×0.05~0.1%=50本前後(1週の販売本数)

これくらい売れれば十分に売り場は維持できます。

広くなくてもいいので狭く深く

この方法を徹底して実行していきました。

 

食の安全安心が疑問視されるような事件が次々と起こる中、

商品を売る前に生産者を知ってもらうという姿勢は、

知っている生産者の商品を買うという安心感を作る事ができました。

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